2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653088
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
中村 徳子 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (90425702)
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Keywords | 自閉性障害 / 読み聞かせ / 視線検出 / 早期発見法 / 絵本 / 顔 |
Research Abstract |
本研究では、視線検出装置を用いて、幼児を対象に絵本や写真あるいは顔様の視覚刺激のどこに注目するのかを定量的に分析し、そのデータをもとに自閉性障害の早期発見法を提案することを目的としている。一般に自閉性障害の診断は、言語的発話が乏しいということで、主に3歳児健診などのスクリーニングを通して、およそ3歳時以降になされることが多い。しかしながら本研究の手続きは視覚探索による抽出法であり、言語的発話には頼らない。この点で、言語的発話が活発になる3歳時より早い時期に障害が発見できる可能性が広がり、早期スクリーニング法としては大変有効だと考えられる。 自閉性障害児の早期スクリーニング診断を確立するために、研究実施初年度として、まず幼児や障害児を対象とした実験環境を確立した。また視線探索実験の際に使用する絵本として、顔(とくに眼)や動作などが特徴的な絵本5冊ほどを数名の被験者に試し、より明瞭な差が現れる絵本として「おおきなかぶ」と「ねないこだれだ」を選定した。今後はこの絵本を使用する予定である。また、これまでの研究によって、健常な乳幼児であれば、顔の刺激に特徴的な注視パターンを示すことが報告されている。それを利用して、顔様刺激に対する自閉性障害児の注視パターンを調べたうえで健常児のパターンと比較する計画も進めた。 今年度は、就学年齢に達した自閉性障害をもつ子ども約20名を対象として絵本の読み聞かせによる視線計測を実施した。現在、健常児のデータと比較しながら解析している。
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