2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22653092
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 裕之 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 准教授 (40243977)
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Keywords | 瞬目 / 錯視 / 運動知覚 / 実験心理学 / 視覚 |
Research Abstract |
本年度は、主に実験装置の製作を行った。人間の瞬目を検出するための装置を作成した。白目部分にLED光を当て、白目とまぶたの反射率の違いから、瞬目時に検出される反射光の変化をトリガーとして取り出すメガネ式の装置を完成させた。このトリガー信号を、USB端子を通してコンピュータにリアルタイムに取り込むインターフェイスを作成した。これにより、実験プログラム実行中に瞬目を検出して、まぶたが閉じている間に画面表示を変更することが可能となった。また、被験者の応答を取り込むための大型のデジタル式ジョイスティックを業者と共に新たに製作した。ロータリーエンコーダを2つ用いて角度をデジタル値に変換した。従来のアナログジョイスティックのように2軸を用いた2次元的な応答がとれる一方、アナログジョイスティックと違って角度と出力値をリニアな関係にすることができ、ノイズのない安定したデータをとることが可能になった。これらの実験装置を用いて、瞬目時に視覚刺激の属性を変化させる実験プログラムを開発中であり、H23年度以降は心理実験を中心に研究を行う。 回転するランダムパタンを瞬間的に消失させると逆回転して見える錯視についての予備実験も行った。この錯視は、運動残効による現象ではないかとの仮説をたて、観察時間と錯視的回転角度の主観評価の対応付けを試みたが、相関は得られず、錯視的回転角度は観察時間ではなく刺激の空間的特性によって決まるのではないかという見通しをたてている。これについても瞬目との関係でH23年度に詳しく調べる。また、予備実験中に、追視中に起こる新たな錯視を発見したので、これについてもH23年度に詳しく調べる。
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