2010 Fiscal Year Annual Research Report
少数者における認知特性を基盤とした日常行動での安全規範作成の構築
Project/Area Number |
22653094
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
八田 武志 関西福祉科学大学, 健康福祉学部 (80030469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 貴彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 講師 (80379221)
北神 慎司 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00359879)
岩原 昭彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (30353014)
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Keywords | 左きき / 行動特性 / 左右 / 少数者 / 安全性 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は少数者集団である非右きき者の注意・記憶及び視線・動作特性を、対象者へのインタビューによる質的方法、行動分析法等様々な研究方法により蓄積し、資料を総合的してその特性を明らかにすることにある。これによって、これまで特段の配慮がなされてこなかった非右きき者における日常生活での安全性についての諸問題を科学的に検討する。併せて、少数者集団に対する多数者の配慮のあり方への研究法の開発を目指すことである。 本年度に実施したのは、1)非右きき者による日常生活場面での不便さの聞き取り調査であった。多数者である右きき者についても同様の調査を行い、比較検討することを開始した。対象者の数がそれぞれ20名と未だ少ないために次年度にも同様の調査をすることで資料の価値を高める予定でいるが、現時点では試験問題での回答欄、指名記入欄等の配置位置など、多数者が予期しない資料が集積されつつある。2)次に行動特性の一つに取り上げた認知機能は記憶である。偶発的記憶事態で左右に方向性を有している日常生活物品の写真を提示し、約60分間の干渉課題を挿入しその後に再認検査を実施した。その結果、左きき者と右きき者では再認エラーに有意に異なる傾向が明らかとなった。左きき者は右方向であった事物を左方向であったとするエラーを、右きき者は逆に左方向であった事物を右方向であったとするエラーが多いという結果となった。このようなエラーを生じさせるメカニズムについて、線条体-基底核-小脳運動系の運動イメージの自発的解発を想定する説明をまとめた。1編は関連学会誌に掲載が決まり、さらに詳細な神経心理学的モデルの提唱を別に論文として国際誌に投稿した。
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Research Products
(5 results)