2011 Fiscal Year Annual Research Report
少数者における認知特性を基盤とした日常行動での安全規範作成の構築
Project/Area Number |
22653094
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
八田 武志 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80030469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 貴彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 講師 (80379221)
北神 慎司 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00359879)
岩原 昭彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (30353014)
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Keywords | 左きき / 行動特性 / 空間把握能力 / 少数者 / 安全性 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は少数者集団である非右きき者の注意・記憶及び視線・動作特性を、対象者へのインタビューによる質的方法、行動分析法等様々な研究方法により蓄積し、資料を総合的してその特性を明らかにすることにある。これによって、これまで特段の配慮がなされてこなかった非右きき者における日常生活での安全性についての諸問題を科学的に検討する。併せて、少数者集団に対する多数者の配慮のあり方への研究法の開発を目指すことである。 23年度に実施したのは、 1)非右きき者による日常生活場面での不便さの聞き取り調査の継続である。多数者である右きき者についても同様の調査を行い、比較検討することを開始した。対象者の数が未だ少ないために今年度にも同様の調査をすることで資料の価値を高める予定でいる。 2)非右きき者の記憶特性に関する昨年度の実験結果を公刊した。また、その特性を説明するメカニズムについて、線条体-基底核-小脳運動系の運動イメージの自発的解発を想定する神経誌理学モデルを提唱する内容にまとめ、国際学術誌にて公刊した。 3)きき手による違いが加齢とどのようにリンクするのかを検討する基礎資料の蓄積を行った。具体的にはVVQ、Money道路図検査、Stroop検査を実施した。その結果、きき手の違いは中年期には見られないが、前期高齢者になるとVVQとMoney道路図検査で出現した。非右きき者は視覚的イメージを使う傾向が高齢;期には顕著となった。Stroop検査でも非右きき者は課題に要する時間が長くなることやエラーが増える傾向が明らかとなった。これらのきき手の影響は加齢により顕在化する結果は24年6月に行われる国内学会において発表する予定であり、学術誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連する学術論文の作成は相応に進んだと考えているが、左きき者の行動解析実験が進んでいない点で予定よりもやや進捗が遅いと言える。これは少数者である左きき者の行動特性についての医療場面での質問紙調査準備に時間を裂いたことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の医療現場での左きき者の行動特性についての問題の深化を進める。これは外科医師等を含めての調査とするためである。医療で現場などでの行動解析実験を進める予定である。実験実施上の問題には最適化した実験装置の借り上げなどが含まれる。
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Research Products
(5 results)