2010 Fiscal Year Annual Research Report
途上国の授業文化に関する研究:生徒観・教師観・授業観を中心に
Project/Area Number |
22653108
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
小野 由美子 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (20177273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近森 憲助 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (40108874)
前田 美子 大阪女学院大学, 教養学部, 准教授 (70454668)
中村 聡 広島大学, 平和・国際室, 研究員 (50524443)
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Keywords | 学習者中心の授業 / 開発途上国 / 授業文化 / 授業改善 |
Research Abstract |
本研究は、開発途上国において政策目標としての「望ましい授業」と、現実としての「日々の授業」とのギャップを探り、そのギャップを埋めるための現実的で具体的な方策を探求することを目的としている。平成22年度はその目的達成の準備期間と位置づけ、以下の研究活動を行った。 1)対象国(カンボジア、ザンビア、南アフリカ)のカリキュラム・ドキュメント(教育政策)の収集を行った。 2)対象国での調査に使用する授業ビデオの発掘に努めた結果、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のMichael Strong氏の協力により、アメリカの小学校の算数(4年生分数)のビデオ・クリップの提供を受けることができた。研究チームはビデオが使用可能と判断し、それに基づいた調査用紙を作成した。 3)授業ビデオと調査用紙をもとに、ザンビアにおいて予備調査を実施した。予備調査をもとに、研究チームで討議した結果、他の研究対象国でも使用可能との結論に達し、次年度に向けて詳細なデータ収集・分析の枠組みを策定した。また、今後の調査スケジュールを立て、現地協力者に連絡した。 4)ザンビアでの予備調査のデータを分析からは、いまだ、「教師中心」のアプローチが優勢であること、「生徒中心」への関心が徐々にではあるが広まりつつあるが、認知的側面や教授学的側面へのコメントは見られなかった。このことから、ザンビアでは、「学習者が知識を構築する」という見方ではなく、いまだ「知識を提供する」ことに価値を置いていることがうかがえた。 5)平成22年度の研究成果は、アメリカ比較国際教育学会(モントリオール:2011年5月)、日本比較教育学会(早稲田大学:2011年6月)において発表する。
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