2011 Fiscal Year Annual Research Report
途上国の授業文化に関する研究:生徒観・教師観・授業観を中心に
Project/Area Number |
22653108
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
小野 由美子 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (20177273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近森 憲助 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (40108874)
前田 美子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 准教授 (70454668)
中村 聡 広島大学, 平和・国際室, 研究員 (50524443)
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Keywords | 学習者中心の授業 / 開発途上国 / 授業文化 / 授業改善 |
Research Abstract |
本研究は、アジア・アフリカの国を対象に、1)それぞれの国に典型的な授業の型を明らかにし、2)それを支える授業文化(生徒観・教師観・授業観)を探ることを目的としている。その際、アンケートやインタビューに代わる手法で授業文化に迫りたいと考えた。 平成23年度は、前年度の計画に基づき、カンボジア・ザンビア・南アフリカの教員を対象に小学校算数(アメリカの小学校4年生を対象とする分数の授業)のビデオクリップ8本を見せ、それぞれの授業について長所・短所を記入してもらい、その上で「効果的な授業」、「効果的でない授業」・「一般的によく見られる授業」を選ばせた。分析の結果、ハンズオン教材を用いた授業を効果的と評価する傾向は3カ国に共通して見られた。その反面、教師が一方的に話すだけの授業を「効果的でない授業」と認知していた。授業の選択傾向は、カンボジアと南アが比較的似ているのに対し、ザンビアがやや異なっていることがうかがえた。 次に、それぞれの授業を選んだ理由をグランディッド・セオリーのアプローチで分析した結果、(1)ディスコース、(2)内容提示、(3)教授モード、(4)教材の使用、(5)ロジスティック・運営、(6)教師の特徴の6つのカテゴリーが見出された。南アフリカの教員の回答を分析した結果、「数学的アプローチ」((2)-b)、「活動、思考、興味を刺激するアプローチ」((3)-a)に注目して授業を評価していることが明らかになった。研究成果の一部は、日本比較教育学会、南部アフリカ理数科教育研究学会(SAARMSTE)で発表した。
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Research Products
(3 results)