2010 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成大学における特別支援教育関連授業の実践的構築
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22653118
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
滝口 圭子 三重大学, 教育学部, 准教授 (60368793)
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Keywords | 特別支援教育 / 教員養成 / 小学校教諭免許 / カリキュラム / 発達障害 / 小学校 / 中学校 / 幼稚園 |
Research Abstract |
全国の教員養成大学・学部における「特別支援教育関連授業」の開講実態を明らかにすることを目的とし,質問紙調査を実施した。調査方法:小学校教諭1種免許状の取得が可能な全国の4年制大学(国公立・私立)を対象とし,郵送した調査票もしくは特設サイト上での回答を求めた。調査内容:「特別支援教育関連授業」の開講形態(選択・記述),全15回の授業内容(5件法「1:全く取り入れていない」~「5:かなり取り入れている」),重点的に学ぶべき内容(授業内容から3項目選択),取り入れている工夫(選択),より望ましい授業形態(選択),授業実施上の困難(5件法「1:全くそう思わない」~「5:かなりそう思う」)等調査結果:回収率は25.7%(57/222)であった。1)全15回の授業内容では「(8)LD(学習障害)の理解と支援(M=4.52)」「(10)自閉症スペクトラムの理解と支援(M=4.52)」の得点が高かった。2)重点的に学ぶべき内容として「(1)特別支援教育の理念」「(10)自閉症スペクトラムの理解と支援」「(17)小学校の通常学級における指導の工夫」が多く選択された。3)授業実施上の困難では「(4)実際に子どもと接することが大切である(M=4.25)」「(12)学生からの評価は高い(M=4.05)」「(16)15回の授業では十分に教えられない(M=3.66)」「(20)特別支援教育の専任教員が少ない(M=3.61)」が高得点であった。 本邦初の本調査から,教員は「(17)小学校の通常学級における指導の工夫」を重点的に学ぶべきと考えてはいるが,授業で取り入れていくことが難しい可能性,また,限られた授業時間数や少ない専任教員という種々の制約の中で実施されているにもかかわらず,学生は「特別支援教育関連授業」を高く評価している現状が明らかとなった。また「…教育学部の全ての学生に必修科目を開講するべき,という話は何度か議論され,今も進行中だが,アンケート項目にあるような諸問題から開講には至っていない」「公私含めて,全国の関係教員の連絡会等が組織されることを望んでいる」という記述もあり,「特別支援教育関連授業」の現状を把握し,今後を展望する上で極めて貴重な基礎的資料を得ることができた。
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Research Products
(10 results)