2011 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成大学における特別支援教育関連授業の実践的構築
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22653118
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
滝口 圭子 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (60368793)
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Keywords | 特別支援教育 / 教員養成 / 教諭免許 / 必修科目 / カリキュラム / 授業実践 / 授業評価 / 発達障害 |
Research Abstract |
本年度は,三重大学教育学部における教諭免許取得必修科目である「特別支援教育入門」(1年次後期)の現状と課題を明らかにすることを目的とし質問紙調査を実施した。調査対象:平成23年度後期授業「特別支援教育入門」受講者調査内容:授業に対する満足度(「1:満足していない」~「5:満足している」),特別支援教育に対する興味関心(「1:非常に低くなった」~「5:非常に高くなった」),授業後に取り組みたいこと,授業に取り入れて欲しい工夫,全15回の授業評価(「1:全く興味を持たなかった」~「5:大変興味を持った」),より深く学びたい内容(全15回から3項目選択)等であった。回収率:88%(177/201) 満足度得点平均は4.15,興味関心得点平均は4.22であった。取り組みたいこととして「ボランティアに参加する」が他の項目よりも多く選択されていた(P<.01)。取り入れて欲しい工夫として「保護者による講義」が他の一部の項目よりも多く選択されていた(P<.05)。全15回の授業評価平均は4.01であり,学生がより興味を抱いた授業は「教室で気になる子の理解:アセスメント」(M=4.27),「算数・数学の教育において特別な支援を必要とする子どもの指導について:算数・数学における"つまずき"から」CM=4.11)であった。より深く学びたい授業内容は「算数・数学の教育において特別な支援を必要とする子どもの指導について」(37%),「教室で気になる子の理解」(34%)であった(P<.01)。 受講者は概ね授業に満足し,授業後の興味関心も高まっており,「特別支援教育入門」の開講意義を示している。一方で,受講学生は,教科別の指導方法や通常学級での支援に関する学習の機会の確保を強く望んでおり,今後は,教科専門教員の増員に努めると共に,全15回の授業において必修とすべき内容の吟味と厳選が求められるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教諭免許取得必修科目「特別支援教育入門」(1年次後期)受講学生を対象とする質問紙調査(授業評価)の実施,調査結果の分析及び考察,授業の課題の整理と提言等,概ね当初の計画通りに研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も同様に「特別支援教育入門」受講学生を対象に質問紙調査(授業評価)を実施することに加えて,授業担当教員を対象とする質問紙調査及びインタビュー調査を実施する。また,本研究の成果の刊行に努めると共に,日本発達心理学会において自主シンポジウムを開催する予定である。
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Research Products
(8 results)