2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナラティブ(語り)の発達アセスメントと支援プログラム開発
Project/Area Number |
22653125
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長崎 勤 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80172518)
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Keywords | ナラティブ / 発達アセスメント / パーソナルナラティブ / ブイクショナルストーリー / 3-6歳児 |
Research Abstract |
研究I ナラティブのアセスメント方法の開発のための基礎研究 自分の経験(パーソナル・ナラティブ)とフィクショナル・ストーリーを「人に分かりやすく伝える」力のアセスメント方法を開発する。 【研究I-1】健常児のパーソナル・ナラティブの発達過程の分析 健常児の直前の経験の報告における、出来事の相互関連付け発達過程の分析を通し、パーソナル・ナラティブのアセスメント方法の開発を目的とし、3歳~6歳の健常児とその母親、各12組を対象に、子どもは実験者と一緒に「ケーキ作り」をし、子どもが「ケーキ作り」の経験を、それを見ていなかった母親に説明し、その会話場面を分析した。発話は、「イベント索引化モデル」によって、出来事間の関連づけの仕方を時間性・意図性・因果性・行為主体性・空間性という5つの次元によって分析した。その結果、3歳~6歳にかけて、空間的→時間的→因果的→意図的といった関連づけの発達過程が認められた。 【研究I-2】健常児におけるフィクショナル・ストーリーの発達過程の分析 系列絵の内容の出来事要素間の関連付けの分析を通し、フィクショナル・ストーリー構造のアセスメント方法を開発することを目的に、小学校1年生から6年生の各10名を対象に、4枚の連続絵、5枚の連続絵の内、4枚目が欠如しているもの、1枚の絵について物語ることを求めた。分析方法は【研究I-1】と同様。その結果、因果的関連づけは全ての課題において1~4年生の間で増加した(結果の一部)。 【研究I-3】高機能自閉症児におけるナラティブの特性 【研究II-1,2】で検討されたパーソナル・ナラティブとフィクショナル・ストーリーの分析方法を高機能自閉症児に適用し、その特性を分析することを目的にし、VA(言語年齢)5歳とVA6歳の高機能自閉症児、各8名を対象にして、実験を実施し、データーを収集し、現在分析中である。
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Research Products
(7 results)