2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮本 雅彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30125356)
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Keywords | 頂点作用素代数 / 有理型 / 自己同型 / モンスター単純群 / オービフォルド理論 / ムーンシャイン予想 / フレイム頂点作用素代数 / 格子頂点作用素代数 |
Research Abstract |
頂点作用素代数は2次元共形場理論を代数的に取り扱ったものである。2次元共形場理論において重要な問題は、良い性質を持つ新しい2次元共形場理論を構成することである。良い性質(加群がすべて完全可約)を持つと期待される構成法の一つに、既存の良い性質を持つ頂点作用素代数から自己同型群を使って、固定点全体として構成する方法(オービフォルド模型)がある。本研究では格子頂点作用素代数から出発しており、昨年度の研究として、位数3の自己同型に対して有理型と呼ばれる非常に性質の良いものが構成できることが示された。本年度の研究では、フュージョン積において、良い性質が保たれること(6月に北京大学で発表)し、上記の結果を基に、さらにより大きな頂点作用素代数を構成するオービフォルド構成と呼ばれるものが簡単な条件の下で構成できることが示された。この構成法を使うと、存在が予想されていた全く新しい頂点作用素代数が構成できた(シュレケンスの予想リスト34番目)。この結果はプレプリントサーバーに投稿されており、ドイツで開催される国際研究集会(9月)において発表した。この方法により非常に多くの頂点作用素代数が構成できるが、その構造を調べることは、有限自己同型を持つ有限次元リー代数との関連に繋がり、 新しい問題を生み出している(リオンで発表12月)。また、位数3以外の自己同型に対しては、少し弱い性質が成り立つことが分かって来ており、その条件の下でのオービフォルド理論の構成も可能であることが示された。この結果は、台湾で開催された国際研究集会(12月)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的のうち、位数3に関しては成功している。それ以外の位数に関しては目的とした結果より、弱いが、非常に良い結果を得ている。しかも、この分野に関係した著名な研究者から、その弱い結果の下での構成の方が有益であるとのコメントをいただいており、広い意味で大きく進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の達成度で説明したように、目的通りの強い結果を求める方向と、弱い結果(C1有限性)の下で、オービフォルド構成を成功させる方向との、2つの方向で最終年度を進める。また、9月に日本で国際研究集会を開催し、この方面の研究者を招待して、議論を深める。
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Research Products
(5 results)