2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大鹿 健一 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70183225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 大輝 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40313324)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 写像類群 / 漸近構造 / 自己同型群 |
Research Abstract |
本年度は写像類群の構造を次の2つの視点から研究した.1つは写像類群をある構造をもった空間の自己同型群として,実現するという視点である.これは古くはRoydenによる,Teichmuller空間のholomorphic自己同型は写像類群であるという定理に典型例を見ることができる.われわれはTeichmuller空間の2種類のコンパクト化,Bersコンパクト化とTeichmuller ray compactificationについて,その商空間を考えた.Bersコンパクト化についてはその境界の擬等角変形空間を潰すことによって,Teichmuller ray compactificationについては,同じ台を持ち横断的測度が異なるようなprojective laminationsを同一視することにより,この商空間は得られる.これらの商空間には写像類群が作用するが,実はこれらの空間の自己同相写像群が(拡張された)写像類群と完全に一致することがわかる.すなわちこの空間は対称性によって写像類群を具現化したものであり,その幾何学的構造を調べることにより,写像類群の代数的構造,漸近幾何的構造の決定の手がかりが得られた. もう1つは,写像類群の部分群である,Heegaard分解の自己同型群を調べる研究である.この群はHempel距離を大きくしていくと,ハンドル体の写像類群に近づいていく.今回Hempel距離が十分大きいときにはこの群がGromovの意味で双曲的であること,及びある条件の下でこの群がprojective lamination spaceに空でない不連続領域をもって作用することを示した. これら2つの研究は写像類群の漸近幾何的構造の研究の短所となるものであると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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