2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 道夫 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹広 真一 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (30274426)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナビエ・ストークス方程式 / コルモゴロフ流 / リヤプノフ解析 / 共変リヤプノフ解析 / 力学系 / 双曲性 / 相関関数 |
Research Abstract |
本研究は,カオス解析の新しい手法である共変リヤプノフ解析を Navier-Stokes 方程式の解に用いて,力学系的観点からみた流体方程式の解の性質の記述,特に乱流化する解の安定/不安定多様体の特徴と流れの性質の関係を明らかにすることを目的とした.共変リヤプノフ解析は解の安定/不安定多様体に伴うOseledec 分解を計算可能とした初めての数値手法であるが,ここでは偏微分方程式,特に Navier-Stokes 方程式へ適用を行った.共変リヤプノフ解析は,時間の正方向と負方向の両方の発展を計算することが必要なため,通常のSchmidt の直交化法を用いるリヤプノフ解析に比べて計算量が相当に増大するが,得られたリヤプノフベクトルは,解軌道上の点における安定多様体と不安定多様体の方向を示すため,双曲性/非双曲性の尺度として利用できる.そこでここでは,2次元 Navier-Stokes 方程式に従うKolmogorov 流を対象とし,Reynolds 数を変化させて,カオス(乱流)状態における双曲性/非双曲性の程度と流れ場の物理的特徴との関連を調べた.前年度までの研究において,解の双曲/非双曲転移があるReynolds 数で起こること,その転移に伴って解の長時間相関の関数形に変化が見られることを見出していたが,さらにこの転移の際,リヤプノフベクトルの空間構造を調べた結果,空間構造などには顕著な変化が見られず,流れ場の瞬間的な乱流構造については双曲/非双曲転移との強い関係は見出だされなかった.このことは,双曲/非双曲転移は乱流場の空間構造ではなく長時間の時間構造に反映することを意味している.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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