2010 Fiscal Year Annual Research Report
条件Cと性質(T)-大域変分法とユニタリ表現論の背後にあるものを求めて
Project/Area Number |
22654021
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金井 雅彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70183035)
|
Keywords | Palais-Smaleの条件C / Kazhdanの性質(T) / 剛性問題 |
Research Abstract |
性質(T)の背後に見え隠れする「コンパクト性の源」の正体を暴き,その発見を新たな武器に申請者が長年取り組んでいる群作用に対する剛性問題のさらなる発展を目指す-これが本研究計画の目標であった.そして,その実現のために我々が採用する基本戦略は,以下の通りであった-条件Cにあって性質(T)にないものを明らかにし,それらを性質(T)の背後に求める,あるいは,大域変分法においては既知であるが,ユニタリ表現論には未知であるものを探し求める. 幾何学においても数多くの変分問題が登場するが,山辺の問題,調和写像,Yang-Mills接続など,その大半は非線形的な問題である.しかるに一方,Kazhdanの性質(T)はユニタリ表現論をその住処とする.したがって,それはアプリオリに線形的である,性質(T)の「非線形化」が望まれる所以である.例えば,(通常の)Poincare不等式の「非線形版」として,写像に対するPoincare不等式なるものが考えられる.その「葉層化多様体版」を開発したいと願い,研究を続けてきた.残念ながら,平成22年度中には決定的な成果が得られなかった.しかし,次年度の成功に繋がる可能性のある部分的な成果がいくつか得られた.
|