2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654025
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
北本 俊二 立教大学, 理学部, 教授 (70177872)
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Keywords | X線 / 干渉計 / 多層膜 / CCD |
Research Abstract |
研究の最終目標は、ブラックホール候補天体の超高精度撮像をして、ブラックホール候補天体が本当にブラックホールであるかを確証することである。超高精度撮像装置のひとつの候補はX線干渉計であるが、本研究の目的は、最近思いついた新型X線干渉計のアイデアの実証実験を行うことである。この実証ができれば、X線干渉計による天体観測、X線によるブラックホール撮像に大きく近づくことになる。本年度は、X線による干渉縞の検出を目指して実験を進めたが、残念ながら、そこまでは至らなかった。使用する、X線反射鏡およびX線半透膜の平面度測定、光源の整備、および計算機シミュレーションを行い、干渉計での今後の開発方針を確認することができた。 まず、X線鏡とX線半透膜をフィゾー干渉計で平面度測定を行った。曲率半径の大きなゆがみはあるものの干渉縞取得実験には十分使用できる精度であることを確かめた。コヒーレント光源は、いくつかの特性X線で性能を調べた。その結果炭素KX線がもっとも使いやすいことが解った。しかしながら、真空装置のトラブルにより、年度後半の実験が進まず、干渉縞の取得には至らなかった。計算機シミュレーションは、実験室実験を想定した物と、天体観測を想定した形状の両方で行った。その結果、実験室実験での干渉縞の取得の具体的なパラメータを決めることができた。炭素KX線と50umピンホールの組み合わせにより、現状のCCDで干渉縞の取得が期待できる。天体観測の評価には、いくつかの星やブラックホールを想定して、それらのサイズ測定に必要な干渉計の基線長や面積、観測時間の評価を行った。その結果、ブラックホールのサイズ測定でも、20m程度の望遠鏡があれば可能であることを示すことができた。観測時間は、可能な有効面積により異なるが、現時的な面積と観測時間の組み合わせを検討することができた。
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Research Products
(6 results)