2010 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導技術を利用したトリチウム崩壊ニュートリノ質量測定用新式検出器の開発
Project/Area Number |
22654028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石野 宏和 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90323782)
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Keywords | ニュートリノ / 超伝導検出器 / MKID |
Research Abstract |
本年度は、MKID(Micrfowave Kinetic Inductance Detector)の作製およびそのシミューションを用いた設計を行った。 本研究を遂行するためには、~20eVの低エネルギー事象からのフォノンを検出するために、大面積かつ多チャンネル読み出しが必須である。NKIDの読み出しは周波数領域であるので、原理的に一本の読み出し線で100~1000素子を同時に読み出すことが可能になる。NKIDはこれまで世界中で製作されてきたが、全てCPW(Coplanar Waveguide)型である。しかしCPWでは検出器面積を大きくすることができず、本研究で必要な大面積フォノン検出器の作製は不可能である。そこで、マイクロストリップ型にすることにより、面積を大きくすることにした。マイクロストリップでは,共振器とグランドが別層になり、グランド層において、フォノンを検出するパッドを置けばよいからである。そこで本年度は、マイクロストリップ型のNKIDの研究を行った。液体ヘリウム減圧で容易に得られる2Kで動作する超伝導検出器として、Nbを用いた。作製・測定の結果、NKIDの共振ピークを確認することができた。本年度購入した電磁シミュレーターとの比較により、共振ピークのQ値が定性的に一致することを確認し、検出器としての理解は進んだと考える。しかしながら、Q値は本研究が目指す櫨より1ケタ以上小さい。 そこで、シミュレーターを用いて、マイクロストリップNKIDの設計の最適化を行った。具体的には、マイクロ波伝送ラインと共振器との結合・相対的位置・マイクロストリップの厚みといったパラメータを振り、Q値が高いデザインを決定した。今後は、このデザインに基づき実機を作製し測定する予定である。
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