2012 Fiscal Year Annual Research Report
螺旋状に伝搬する光と物質のかかわり合いーフォトンの軌道角運動量を介した相関の発現
Project/Area Number |
22654033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒岡 史人 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (10467029)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機材料光物性 / 光学活性 / 光計測 |
Research Abstract |
本年度(平成24年度)は、前年度に提案した実験法として、空間位相変調器によるLG光発生-応答測定システムに倒立顕微鏡による計測システムを組み合わせた測定装置を構築した。これは、Tangら(Science332,333(2011))により報告された手法を参考にしたものである。ここではTi:SappireレーザによるLG光で屈曲分子のヘリカルナノフィラメントドメイン試料に摂動を加え、二光子蛍光および第二高調波発生を測定することで効果を観察しているが、通常光とLG光とで有意な差は認められていない。顕微照明光では円二色性(CD)のような挙動が現れたため、この方法ではLG光とキラリティの相関はない、あるいは検出限界以下であると結論づけた。本年度後半にMathevetら(Opt. Express21,3941(2012))により、磁場印加下のキラリティとLG光の相関が探索されているが、やはり相関はなく、我々の結果を裏付けている。その一方で、Rosales-Guzmanら(Opt. Lett.37,3486(2012))は、理論上は「適切な実験条件」によりCDのような信号が見えるはずであるとしている。本研究では、ここまでの結果から、「相関関係はほぼなく、またあったとしても観察するのは非常に難しい」と結論づける。しかしながら、上記論文にあるとおり、理論面からの新たな実験提案も続いており、実験もそれに併せて続けてゆくこととなる。 これまで同様、キラルな試料として、屈曲分子のヘリカルナノフィラメントを主として用いてきた。前年にはヘリカルナノフィラメントと棒状液晶を混合させ、CDを増大させることに成功したが、これは上記顕微鏡による測定でも確認できた。本年は、こうしたフィラメントを一様に一軸配向させることに成功しており、各種材料にテンプレートとすることで、新規キラル相互作用の発現が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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