2010 Fiscal Year Annual Research Report
低次元・強相関電子系における非線形光応答の広帯域シングルショット実時間計測
Project/Area Number |
22654034
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
武田 淳 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (60202165)
|
Keywords | フェムト秒 / イメージング / シングルショット / パイエルス絶縁体 / 強相関ラジカル結晶 / 光誘起相転移 / エシェロン |
Research Abstract |
本研究では、ミクロンオーダーの精密なステップ構造を持つ反射型エシェロン(階段状)光学ミラーを加工・作製し、それを用いてプローブ白色光に空間的な時間差を付け、高時間分解、スポット集光、広帯域、シングルショット検出すべてを満たすフェムト秒広帯域シングルショット実時間イメージング分光法を構築することを目指している。また、高強度励起パルスにより、低次元電子系・強相関電子系に非線形かつ非調和な所望の格子振動を誘起し、それに伴う多彩な高密度光誘起現象の時間・周波数特性を広帯域かつ1ショットで実時間計測することを行う。 本年は、反射型エシェロンを組み込んだ広帯域分光光学系の構築、構築した光学系による光パルス計測、強誘電体のフォノンポラリトン伝播のイメージング計測を行った。その結果、反射型エシェロンを用いた第2高調波発生相関法および偏光ゲート相関法により、フェムト秒パルスの正負のチャープ量、スペクトル波形や位相をシングルショットベースで測定することに成功した。また、非線形結晶を強誘電体サンプルに置き換えるだけで、誘導ラマン過程によりフォノンポラリトンを誘起し、その伝播の様子をイメージング計測できることがわかった。更に、一次元パイエルス絶縁体を強励起することにより、絶縁体から金属への相転移の過渡現象を検出することに成功した。この他、空間位相変調器を用いたパルス波形整形技術を導入し、位相・強度変調から、パルス数、パルス間隔、パルス強度などを自在に制御できるようになった。
|
Research Products
(12 results)