2010 Fiscal Year Annual Research Report
力学モデルによるスポーツ動作の原理解明とその物理教育への活用
Project/Area Number |
22654043
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂井 伸之 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (00267402)
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Keywords | スポーツ動作 / 力学モデル / 物理教育 / 剛体力学 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
スポーツは一般に同じ指導を受けて練習しても上達する人としない人にはっきり分かれるが、その主な要因は、方法論に科学的根拠が乏しく、経験的・感覚的な言葉で説明されることにあると考えられる。本研究では、力学モデルによってスポーツ動作の基本原理を解明し、そのコツを客観的・科学的な言葉で説明することを目指す。また、既存のトレーニング方法について、物理学的観点からその意味や合理性を明らかにする。その成果は、主に非熟練者がスポーツを実践する上で役立つことが期待される。更に、スポーツ動作を通じて多くの人々が物理に関心を持ってもらうために、スポーツ動作を大学や高校の物理教育における題材として活用する方法を検討・実践する。 本年度は次の3項目を同時並行で実施した。 (1)スポーツ動作の力学モデルの構築と検証。本年度は、野球・ソフトボールの投動作・打動作について、力学モデルと運動方程式から原理解明を試みた。まず、スポーツ動作に関わる力を、筋力・筋肉の復元力・重力を初めとする外力・慣性力の4つに分類し、それぞれの仕組みの理解が重要であること、特に慣性力についてはほとんど理解されていないことを論じた。 (2)力学的考察に基づくトレーニング方法の検証。初動負荷理論に基づくトレーニング施設のワールドウィング秋田において、力学的に合理的なトレーニング方法を検討した。 (3)物理教育における指導方法の開発と実践。大学の物理の授業において、(1)を題材とする剛体力学の授業を実践し、その中で運動方程式を使わずに理解するための実験教材を開発した。その教材を高校の出張講義に活用したところ、高校野球の指導者に好評で、現場の指導でも導入されるようになった。
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Research Products
(2 results)