2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654046
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
吉川 研一 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80110823)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | レーザー光 / マランゴニ効果 / 非平衡開放系 / 自律運動 / 界面張力勾配 / 光誘起相転移 / 遠隔操作 / 誘電ポテンシャル |
Research Abstract |
光子は運動量の運搬体でもあることから、光による物体の搬送についての研究は数多い。しかしながら宇宙空間を除くと、地球上で輸送可能な物体のサイズは、実質的には数十マイクロメーター程度が限界であった。本研究では、cmスケールの物体を可視光レーザーにより遠隔操作により搬送することのできる、新規な方法論の確立を目指した。具体的には、1)光吸収による温度勾配の発生、2)光による有機分子の異性化反応、3)集光による誘電ポテンシャルによって誘起される液相の相転移(相分離)の、3つの異なる実験手法について、本研究を3年間に渡って推進し、いずれも当初の予想を越えた成果が得られている。本年度は、その中でも、単一のグリーンレーザーを用いて、上方から、cmサイズの液滴を、照射させたときに生じる、自律運動について、新しい発見を行うことができた。レーザーの出力を上げていくと、微細なゆらぎの状態から、焦点を中心とする往復運動へとモード分岐する。更に出力を上げていくと、焦点のまわりの公転運動に分岐し、これらは、いずれも亜臨界型の、不連続かつ履歴のあるモード分岐の特徴を示す。 このような実験から見出した新しい型のモード分岐について、理論的な考察を勧めた。レーザー照射による局所的な温度の上昇と、それによる熱マランゴニ効果が引き起こす空間的運動の二つのパラメータを基本とする、連立微分方程式により、レーザーによって引き起こされる自律運動とそのモード分岐を説明することにも成功している。このように、cmサイズの物体をレーザーにより搬送し、さらには、自転・公転・往復運動などの多様なモードの運動を引き起こすことが、本萌芽研究により可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)