2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654051
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三野 広幸 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (70300902)
|
Keywords | パルスESR / EPR / 量子テレポーテーション / 生体膜 / 光合成 / 電子移動 |
Research Abstract |
本研究は、パルスESRの手法により光合成反応中心内の電子移動反応を用いて生体膜上での量子テレポーテーション実現することを第一の目的とする。これは電子スピンを用いた(1)子テレポーテーションを実現する点(2)量子テレポーテーションを生体膜間で適用する点(3)テレポーテーションの検出に電子スピン共鳴法を用いるという三点において新規のケースとなる。結果を発展させ、量子スピン系の実験室系としての光合成反応中心を位置付けるとともに、新世代の電子デバイスとしてのタンパク質活用への基礎を築くことを目的とする 量子テレポーテーションにおける測定系では、情報送信者D^-と量子からみあい状態A^+B,情報受信者B^-は観測の際に個別認識することが必要である。通常ESR法は単一の周波数で観測するが、異なる周波数のマイクロ波を照射してそれぞれを観測することが必要である。測定のために用いるパルスESR法パルスESR法では短時間のマイクロ波パルスを用いることによりそのフーリエ変換成分としそ周波数幅をもった励起が可能である。他方、ESR信号の線幅は一般に広くすべての信号範囲を励起することは困難である。このため5つの異なるマイクロ波周波数を発生させるソースを作成し、幅の広いESR信号に対応可能にする必要がある。本年度、多周波励起用マイクロ波制御システムを作成し論文にまとめ報告した(Journal of Mangnetic Resonance誌)。次年度このシステムを時間分解法に用いて実際の光合成系への適用を行なう
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作成した測定システムは当初の計画で期待した以上であり、派生的に様々な手法が展開可能であり、EPR測定法の新たな展開の可能性を見出した。その一方、光合成系への適用は試行錯誤の段階である。それらを総合的に判断すれば順調な研究遂行状況といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)測定システムの更なる改良(2)測定試料の最適化 (1)については (2)については様々な資料処理を試みる必要があり、試行錯誤をさらに繰り返す必要がある。
|