2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 助教 (30301112)
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Keywords | 津波 / 重力変化 / 東北沖地震 / スマトラ地震 / チリ地震 / 巨大地震 / ジオイド高変化 / 津波伝播時間の遅れ |
Research Abstract |
2004年スマトラ沖巨大地震の被害を契機として、太平洋・インド洋・大西洋の沖合深海底に水圧計測式の津波計測センサーが設置され、データは海上ブイと通信衛星を経由してリアルタイムで陸上津波監視センターに伝送され、これまで困難だった津波が沿岸に到達する前の深海底での津波監視が可能となった。2004年スマトラ沖地震の地震波解析から求まった断層運動モデルと、GPS測地データから求めた断層モデルは、津波から求めた断層モデルと滑り量にして2倍から3倍異なり、津波断層滑り量が過大に見積もられてきた。この原因について重力ポテンシャル変化=ジオイド高変化に伴う津波発生メカニズムを検討した。2010年チリ地震で津波波形か求まった断層面滑り量から計算される地球内部の質量再分配によるジオイド高変化は震源付近でcmオーダーであり、滑り量のmオーダーと二桁異なった。ジオイド高変化は巨大津波の発生要因ではない。 また、2010年チリ地震や2011年東北沖地震の津波が太平洋を横断してそれぞれ、日本や南米沿岸の海底津波計により計測された津波は最大20分予測津波到達時刻より遅れる現象が明確になった。この原因について調査したところ、海底摩擦、海流、コリオリ力、地表重力値の地域性、海底水深データの系統的誤差の影響は除外された。これまで津波伝播では考慮にされれていなかった、海水圧縮性・固体地球の弾性・津波の伝播中の質量移動による重力ポテンシャル変化を考慮に入れた、固体地球とカップルする海洋中の波動現象として津波を解析したところ観測された津波波形が長周期で逆分散性を示すとが説明できた。またこの長周期での津波位相速度低下を考慮に入れて長周期の遠地津波波形を計算すると観測波形と良い一致を示し、到達時刻差の問題は解消された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)