2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22654055
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
立花 義裕 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (10276785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 特別研究員 (90514331)
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Keywords | 北極振動 / エルニーニョ / 北大西洋振動 / CMIP3 / WP / マルチモデルアンサンブル / 豪雪 / ENSO予測 |
Research Abstract |
本研究は,「極域の北極振動(AO)が熱帯のエルニーニョ(ENSO)を駆動することがあるのではないか」という研究代表者・分担者が最近の研究で得た,従来のENSO発生研究の常識を覆す新仮説を検証し,前例のない発想に基づくENSO予測法の構築にむけた研究に挑む. 再解析データを詳細に調査したところ、前年の冬期の北大西洋振動(NAO)が「正」である場合、翌年の冬にラニーニャになり、逆に前年のNAOが「負」である場合、翌年の冬にエルニーニョになることがわかった。ここでNAOが「負」とは、高緯度側が、高気圧偏差で低緯度側が低気圧偏差の場合のことである。つまり、AOばかりではなく、NAOもエルニーニョに先行して変動していることが示された。このような関係が、大気海洋結合モデルでも再現できているかを、CMIP3マルチモデルアンサンブルを用いて調べた。それを調べる新たな手法として、2つの変動モードのCoherency指標を開発した。その結果、すべてのモデルでは再現できていなかったが、多くのモデルが上記の関係を示していた。従って、NAOが翌年のエルニーニョと関係があることは、単なる偶然とは言い難い。さらに、そのメカニズムとして「北大西洋振動に伴って冷たいアジア大陸から暖かい亜熱帯太平洋へ吹くcold and drysurgesが,エルニーニョ発生のきっかけとなる西部熱帯太平洋上の西風バーストを駆動する」ということが考えられる.マルチモデルアンサンブルではそれを支持した結果となった。さらに、この研究から得られた、当初の計画からは予期せぬ新知見として、NAOの翌年の冬には、WPパターンも卓越する事が多いことが判明した。WPパターンは、日本の冬の豪雪とも関連する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] The nature of Arctic polar vortices in chemistry-climate models2012
Author(s)
Mitchell, D. M., A. J. Charlton-Perez, L. J. Gray, H. Akiyoshi, N. Butchart, S. C. Hardiman, O. Morgenstern, T. Nakamura, E. Rozanov, K. Shibata, D. Smale and Y. Yamashita
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Journal Title
DOI
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[Journal Article] Using transport diagnostics to understand chemistry climate model ozone simulations2011
Author(s)
Strahan, S. E., A. R. Douglass, R. S. Stolarski, H. Akiyoshi, S. Bekki, P. Braesicke, N. Butchart, M. P. Chipperfield, D. Cugnet, S. Dhomse, S. M. Frith, A. Gettelman, S. C. Hardiman, D. E. Kinnison, J.-F. Lamarque, E. Mancini, M. Marchand, M. Michou, O. Morgenstern, T. Nakamura, D. Olivie, S. Pawson, G. Pitari, D. A. Plummer, J. A. Pyle, J. F. Scinocca, T. G. Shepherd, K. Shibata, D. Smale, H. Teyssedre, W. Tian, and Y. Yamashita
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Journal Title
Journal of Geophysical Research
Volume: 116
Pages: D17302
DOI
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