2011 Fiscal Year Annual Research Report
深海サンゴ骨格に刻まれる1日-半世紀におよぶ海洋表層環境の復元-
Project/Area Number |
22654062
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
江崎 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60221115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 英治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70172749)
渡邊 剛 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80396283)
後藤 慎介 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70347483)
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Keywords | サンゴ / 成長線 / リズム / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
深海サンゴであるFlabellum骨格中に記録されている「1日」を明らかにし,「半世紀におよぶ海洋表層での環境変遷」を高時間解像度で復元するために,今年度はとくに,「サンゴ軟体部の1日ごとの生体挙動変化のモニタリング」ならびに「遺伝子解析(時計遺伝子の確認)」に力点を置いた. 1.非造礁性単体六射サンゴであるFlabellum(Ulocyathus)deludensを用い,様々に組合せた明暗の外的光条件への呼応(軟体部であるポリプを膨張・収縮)をモニタリングした.「χ2乗ピリオドグラム法」によって周期性を解析した結果,当該サンゴは,明確に光に応答していることが判明した.全暗条件下でも周期性を示すことから,時計遺伝子の存在が示唆される. 2.「リアルタイムPCR装置」を用い,遺伝子解析を行った結果,複数の時計遺伝子の存在を確認した. 3.確認された時計遺伝子を用い「各遺伝子の発現パターン」を解析し,分子が周期的に発現しているかどうかの検討が必要である. 4.最終的には,「現代型海洋物質循環システムの実態」を知るプロキシを開発し,「海洋表層での長期環境変遷」を復元するための手掛かりを提供する予定である. 得られた研究成果は,日本古生物学会(金沢:2011年6月;群馬:2012年1月),国際化石刺胞動物・海綿動物会議(ベルギー・リェージュ:2011年8月)の場で発表を行なった.国際誌に5編(印刷中を含む)の論文を発表した.
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Research Products
(20 results)