2010 Fiscal Year Annual Research Report
光周波数コム型レーザ光による大気圧プラズマ分光診断
Project/Area Number |
22654069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 道 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30362445)
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Keywords | 光周波数コム / レーザ光 / 大気圧プラズマ / 分光診断 / マイクロ波スペクトル |
Research Abstract |
本研究は近年注目を集めている高密度気体中での放電プラズマ現象において、その内部に生成される励起粒子の挙動を解析するための新規吸収分光測定法を開発することを目的とした研究である。本年度は研究課題の初期段階として光源である光周波数コム発生器の設計・装置の購入や測定対象となるプラズマ源の開発等の研究を進め複数の重要な成果を得ることができた。 1つ日の成果である光コム発生器の設計については、一般的な大気圧プラズマにおける吸収スペクトルの広がりや形状を考慮した光コムの各コム間隔や全体の広がり幅について検討を進め,電気光学変調器や光共振器用高反射率ミラー等の光コム発生器の構築に必要な素子類を購入した。具体的には、コム間隔500MHz、全体の広がり幅30GHzが本研究課題の達成に必要十分な光コムの仕様であり、これに沿う形で全体の装置を構成している。設計の際には、大気圧プラズマジェットのレーザ吸収分光法により得られたヘリウム準安定励起原子の吸収スペクトルを参考にした。 次に、測定対象のプラズマ源として大気圧アルゴンガス中での放電を利用する際に問題となる、放電の不安定性を解消することを目的とした研究を行い、アルゴンガス中に微量の有機物を添加することにより空間的に均一なプラズマを安定に生成することが可能となることを見出した。これは本研究課題の達成に必要な段階であると同時に材料プロセスなどのプラズマ応用の観点からも重要な研究成果であり、学会発表等を積極的に行っている。
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