2010 Fiscal Year Annual Research Report
エコノイノベーションを指向した次世代酸化触媒システムの開発
Project/Area Number |
22655028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60281119)
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Keywords | 酸化的臭素化 / 酸化触媒 / バナジウム / 分子状酸素 / レドックス |
Research Abstract |
本研究では、市販されているバナジウム塩を触媒として用い、「爆発性の過酸化水素」の代わりに「分子状酸素」を用いた臭化物イオンの触媒的なプロモカチオン活性種への触媒的変換に基づく酵素機能を超えた実用的な環境調和型の次世代酸化触媒システムの開発を目的とする。本年度は、分子状酸素を用いた酸化的ハロゲン化反応に関して研究を展開した。 ベンゾイル酢酸エチルを基質とし、酸素雰囲気下、バナジウム触媒を5mol%、臭化アルミニウムを55mo1%用い反応を行ったところ、95%の収率でα-プロモ体が選択的に得られた。55mol%の臭化アルミニウムによって定量的に臭素化物が得られることから、臭化アルミニウム上の二つの臭素原子が臭素源として有効であり、臭化アルミニウムはルイス酸および臭素源の両方の機能を示すことが明らかになった。このように、ケトンの選択的な触媒的臭素化に成功した。 バナジウムの代わりに銅触媒を用いた臭素化反応に関し検討したところ、臭化水素酸存在下、臭素化反応が進行することが明らかになった。溶媒としては、アセトニトリルが最も適していることが判明した。基質として1-デセンを用い、臭化銅を5mol%、臭化水素酸を300mol%、酸素雰囲気下において酸化的臭素化反応を行ったところ、オレフィンの臭素化が起こり、86%の収率でvic-ジブロモ体が得られた。銅触媒も効率的に機能することが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)