2011 Fiscal Year Annual Research Report
エコノイノベーションを指向した次世代酸化触媒システムの開発
Project/Area Number |
22655028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60281119)
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Keywords | 酸化的臭素化 / 酸化触媒 / 分子状酸素 / バナジウム / レドックス |
Research Abstract |
医薬品や有機材料合成を含めた有機合成において、ハロゲン化物は重要な合成中間体であるとともに工業的な需要は極めて大きく、環境調和型の優れたハロゲン化プロセスの開発が切望されている。ハロゲン化物合成の従来法では、ハロゲンやN-ハロスクシンイミド等が主に用いられてきた。これらの試薬は有害であるとともに、副生成物を生じるなどの問題点を有している。また、ハロゲン化物イオンを用いた代替法では強酸化剤が量論量必要であるという問題点がある。本研究では、入手用意なバナジウム塩を触媒として用い、分子状酸素を用いた臭化物イオンの触媒的なブロモカチオン活性種への触媒的変換に基づく酵素機能を超えた実用的な環境調和型の次世代酸化触媒システムの開発を目的に、研究を展開した。 昨年度開発したバナジウム触媒による触媒的酸化システムにおいて、臭化物イオンの代わりに別のハロゲン化物イオンを用いることで、ハロゲン化反応について検討を行った。基質としてプロピオフェノンを用い、バナジン酸アンモニウムメタを10mol%、テトラブチルアンモニウムヨージドを120mol%、塩化アルミニウムを120mol%用い、酸素雰囲気下で反応を行ったところ、興味深いことに、α-ヨウ素化ではなくα-塩素化が進行し、収率60%でα-塩素化体が得られた。アルゴン雰囲気下では7%のα-塩素化体しか得られなかった。触媒量を20mol%まで増加させたところ、収率は77%まで向上した。さらに、反応時間を36時間へと延長させることで98%の収率でα-塩素化体を得ることが可能となった。以上のように、分子状酸素を用いたハロゲン化物イオンの触媒的なハロゲンカチオン活性種への触媒的酸化システムを開発した。
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Research Products
(13 results)