2012 Fiscal Year Annual Research Report
未踏炭素同素体ポリインの有機金属化学的手法による重合法の開発とその物性評価
Project/Area Number |
22655031
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
坂本 健吉 静岡大学, 理学部, 教授 (50187035)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ポリイン / N-ヘテロ環状カルベン / NHC |
Research Abstract |
本研究ではシクロプロペノンをアセチレンの等価体とし、その重合により炭素の同素体であるポリインを合成することを目的に実験を行った。 シクロプロペノン自身も不安定であるため、保護されたシクロプロペノンとして前年度までにシクロプロペノンケタールおよびシクロプロペノンジチオケタールの合成を行ってきたが、今年度はそれらの重合を行うべく、シリル置換体など種々の誘導体の合成を試みた。その結果、シクロプロペノンケタールは目的とする変換反応条件下では不安定であり、分解することが分かった。シクロプロペノンジチオケタールのシリル置換体の合成には成功したが、この物質はプロパジエノンのジチオケタールに室温下で転位することが分かった。 そこでシクロプロペノンの新たな等価体としてN-ヘテロ環状カルベン(NHC)とアセチレンのシクロプロペン型付加体を合成し、その安定性を検討することにした。アセチレンとの付加反応性をしめすNHCとして最近報告されたアミド型のカルベンとトリメチルシリル(クロロ)アセチレンとを反応させたところ、1:1付加体が得られた。しかしながら、この場合もアレン型の化合物への転位がおこり、目的とするシクロプロペン誘導体は得られなかった。 しかし、このアレン型誘導体は末端にシリル基とクロロ基を有しており、一種のカルベノイドであったため、そのカルベンへの変換を行った。この化合物にフッ化物イオンを作用させたところ脱クロロシリル化反応がおこり、アレニリデンカルベンの生成が確認された。このアレニリデンカルベンは拡張型N-ヘテロ環状カルベンと見なすことが可能であるが、カルベン部位はsp混成をとっており、通常のNHCがsp2混成であるのと対照的である。この拡張型NHCは新規な金属配位子として応用が可能であり、さらに研究を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)