2010 Fiscal Year Annual Research Report
逆ストークス蛍光発光を示す単分子色素の開発とその応用
Project/Area Number |
22655033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70144128)
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Keywords | アップコンバージョン / 三重項-三重項消滅 / デンドリマー |
Research Abstract |
アップコンバージョンを光医療へ応用することで、光照射の到達深度の向上が期待できる。この目的を達成するために、アップコンバージョンを行う水溶性発光体の開発を行った。pH7のリン酸緩衝液中において、増感剤としてオクタエチルポルフィリンの白金錯体、発光物質としてアントラセンを用い、申請者が開発した高い分子内包能を有する修飾デンドリマーに取り込ませることで複合体を形成させた。そこに537nmの可視光を照射すると380nmから始まるアントラセン由来の蛍光発光が得られた。さらに、溶液のpHを変化させ、アップコンバージョン発光の強度を調べた。その結果、pH7では最も発光強度が高く、弱塩基性、弱酸性条件下でも発光効率が低下することが明らかとなった。この結果は、正常細胞のみをラベリングすることが可能となると期待できる。さらに、溶存酸素量による発光強度の差についても調べた。 その結果、生体中の低酸素状態を模倣したサンプルから強い発光が得られた。この結果は、がん領域のみで光反応を進める光源として働かせることに応用が可能となると期待される。最後に、色素の濃度を調節することにより白色発光を取り出すこともできた。本研究で開発した色素は三重項経由で反応が起こるため、有機EL素子中で行われている様に、電気励起でも同様の挙動が得られると考えられる。したがって、高効率な白色発光素子としての応用が期待できる結果を得た。
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Research Products
(21 results)