2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22655038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
芥川 智行 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60271631)
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Keywords | 強誘電体 / 分子性結晶 / 高周波誘電率 / ポリオキサメタレート / 金属錯体 / クラスター / スピン転移 |
Research Abstract |
本研究は、混合原子価ポリオキソメタレート(POM)クラスターに注目し、クラスター内部にのみ存在する自由電子の秩序-無秩序転移を利用し、電子移動型の超高速応答性の誘電体を開発する事を目的とする。ケギン型の[PMo_<12>O_<40>]^<4->から巨大{Mo_<154>}リング構造まで、多様なサイズのクラスターが形成する非局在電子の規則ナノ構造(結晶)を、電子のOrder-Disorder転移とカップリングした高速な双極子反転の場として利用する。 一電子還元型の[PMo_<12>O_<40>]^<4->結晶を用いて、10kHz~1GHz領域の誘電率の温度変化を、RFインピーダンスアナライザーを用いて評価するシステムを構築した。高周波測定では、試料の反射率測定からインピーダンスを求めるのが一般的であり、試料と同軸ケーブルの接触を適切に行うのが重要である。室温における測定では、専用の測定治具を作製しその評価を試みている。また、低温用のクライオスタットへの測定システムの導入に関する検討を行ったが、正確なサンプル配置と電極一試料間の接触に関するさらなる検討が必要である。また、二重波法による分極一電場ヒステリシス応答を評価する測定システムを作製中である。高周波測定を可能とするため、測定機器間の高速データ通信システムの構築を行っている。試料作製に関しては、(p-phenylenediammonium^<2+>)_2([15]crown-5)_4[PMo_<12>O_<40>]^<4->結晶および巨大リング状{MO_<176>}クラスターを作製した。同時に、これらの測定システムの自動化を可能とするソフトウエアー開発を試みている。
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Research Products
(41 results)