2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリックス形成能を持つ多糖を鋳型とする金属ナノワイヤの創製
Project/Area Number |
22655046
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
新海 征治 崇城大学, 工学部, 教授 (20038045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 俊一 崇城大学, 工学部, 准教授 (10454951)
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Keywords | 多糖 / 金ナノ粒子 / ナノワイヤ / ホスト-ゲスト / 分子認識 |
Research Abstract |
平成22年度は、種々の多糖や種々の調製法を駆使した金属ナノワイヤを作るための基盤と、知見を得るために、様々な金属捕捉部位を導入した種々のβ-1, 3-グルカン誘導体の開発とその物性の評価、及び分子認識部位を導入した無機微粒子の自己組織化に関する検討を行った。 良好な金属配位子として知られる、イミノ二酢酸やEDTAと同様の金属配位能の発現を期待して、カードランの側鎖にカルボキシル基とアミノ基を導入した半人工β-1, 3-グルカン誘導体を合成した。この合成では、アミノ基の前駆体となるアジド基を6位に導入した後、残りの6位水酸基をTEMPO触媒による酸化反応によりカルボキシル基に変換する行程を経ることで、アミノ基とカルボキシル基の導入量を任意に制御することに成功した。興味深いことに高い導入率を持つカードラン誘導体はカチオン捕捉能が予想よりも低下するが、導入率を適度に低下させることで、期待通りのカチオン捕捉能が回復されることが確認された。以上の結果は、カードラン誘導体による金属の一次元配列に実現するために極めて重要な知見である。 直径が異なる2種の量子ドットにカチオン性の分子認識部を導入した。これらは爆発性の分子であるトリニトロトルエン共存下で効率よく複合化し、FRETに基づく劇的な蛍光色調変化を誘起出来ることが明らかとなった。この結果は、爆発物センサーとしてだけでなく、ナノサイズの無機微粒子を意図的に組織化するために重要な知見である。
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Research Products
(3 results)