2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22655061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 隆史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 正浩 香川大学, 工学部, 教授 (90262287)
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Keywords | 液晶材料 / 自己組織化 / 有機半導体 / 刺激応答性材料 |
Research Abstract |
本研究は、力学的刺激によって導電性部位の集合状態や電子状態が変化する分子を設計・合成することにより、力学的刺激に応答する有機半導体の開発を目指している。平成23年度は、前年度の成果を踏まえて、液晶分子の力学的刺激による構造相転移に伴う、電気伝導性の変化の測定を検討した。 有機半導体中での電気伝導は、分子間のπ電子共役系の重なりを介して進行するため、光伝導性やキャリア移動度は、π電子共役系の重なりの大きさによって変化する。昨年度合成したビスフェニルエチニルビチオフェン誘導体、および、ビスフェニルエチニルクォーターチオフェン誘導体は、液晶相において、せん断変形により、キュービック相からカラムナー相への構造相転移を起こす。これらの液晶材料を用いて、せん断変形による構造相転移に伴う電気伝導性の変化の評価を検討した。 これらの液晶材料をプレーナ型電極上に塗布し、パルスレーザーを照射し、その際の過渡光電流を測定した。せん断変形による構造相転移前後の光伝導性やキャリア移動度の変化の測定を試みた。しかし、紫外光照射によって生ずる光電流が非常に小さく、構造相転移に伴う電子物性の変化を求めるには至らなかった。 これらの検討に加えて、柔軟な構造を持つ液晶性半導体の合成と物性評価を検討した。電子アクセプター性を有するトリアジン部位を電子ドナー性部位が取り巻いた構造を有するカラムナー液晶を合成した。カラムナー相において、電子とホールが共に効率的に輸送されることを見出した。また、分岐したアルキル側鎖を有する液晶性オリゴチオフェンを合成した。この液晶は室温でネマティック相を示し、10^<-4>Cm^2/Vsを越える良好なホール輸送性を示した。
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Research Products
(7 results)