2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機ケイ素ポリマーとカーボンナノチューブのハイブリッド化と配向集積
Project/Area Number |
22655065
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大下 浄治 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90201376)
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Keywords | π電子系 / 有機ケイ素化学 / ハイブリッド材料 / カーボンナノチューブ / 色素憎悪感太陽電池 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(以下、ナノチューブ)は、新しい電子材料として注目されているが、そのプロセス性の低さから、潜在的な性能を100%引き出すことは、困難である。本研究では、ナノチューブの新しいプロセスを開拓することを目的として、ケイ素-π電子系ポリマーとナノチューブとのハイブリッド材料を作製し、それらの光反応、あるいはカップリング反応を用いて、無機あるいは高分子材料表面に固定化することに成功した。また、その応用を検討した。以下に、具体的な成果を述べる。 1.ナノチューブと、ピレン、オリゴチオフェンなどのπ系を有する有機ケイ素ポリマーとをボールミル中で撹拌することで、効率よくハイブリッド化・可溶化ができることを見出した。 2.生成したケイ素ポリマー-ナノチューブのハイブリッド材料の光学的測定によって、ナノチューブが溶液中で凝集していないこと、光励起状態でポリマーπ電子系とナノチューブの間の光電子移動またはエネルギー移動が起こっていることを示した。 3.ナノチューブと有機ケイ素ポリマーのハイブリッド材料を光反応によって、酸化チタン、PVA(ポリビニルアルコール)表面などに固定化できることを見出した。また、生成した固定化膜の色素増感太陽電池への応用を検討し、ナノチューブの存在が太陽電池の効率の向上につながる可能性を示した。 4.ナノチューブと有機ケイ素ポリマーのハイブリッド材料をPVAに固定化したものを延伸によって配向できないかを試した。今後、検討を続ける予定である。
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