2010 Fiscal Year Annual Research Report
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22655071
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高橋 雅英 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20288559)
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Keywords | ハイブリッドコーティング / 形態記憶微細構造 / スマート材料 / 階層的微細構造 / ロボオンチップ / 微小流路回路 / 湿度応答性 / 自己組織化 |
Research Abstract |
我々は、ゾルゲルコーティング技術による蒸発誘起プロセスの制御および有機-無機ハイブリッド薄膜のUV硬化を制御し、buckling(座屈)現象による表面微細周期構造の自己組織的な形成に成功した。そのメカニズムは、基板にコーティングしたゾル薄膜において、表面で優先的に起こる光重合で形成される表面ポリマー層と、それと同時に進行する縮合プロセスにより形成される有機-無機ハイブリッドゲル下層の二層構造膜が形成される。この二層間での力学的ミスマッチにより表面ポリマー層が折りたたまれる事により(buckling現象)、表面微細構造が形成される。本手法により作製した表面微細構造を有する薄膜は、ハイブリッド材料の耐久性を活かした環境応答性スマートデバイス材料への展開を目指している。本研究では、ラボチップへの応用を目指して、微細構造周期の制御、有機溶剤への耐久性の付与、ラボチップへ集積することによる流体種の光検出技術開発、環境応答性の開拓とスマートデバイスへの展開を行った。ゾルゲルコーティング法を用いた自己組織的プロセスによる微細しわ構造をチタニア-ポリマーハイブリッド膜で作製した。しわ構造による回折光の回折効率が流入する液体の屈折率に応じて変化し、非接触で液体の変化を測定できた。湿度の繰り返し変化に対して、しわ構造は繰り返し変化し、その可逆性は失われなかった。この性質を利用して、特定の物質に応答性を示し、それを光で検出できるラボオンチップ)への応用が期待できる。
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