2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22655072
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
VINU Ajayan 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA独立研究者 (50421425)
|
Keywords | メソポーラス / 吸着 / 分離 |
Research Abstract |
本研究では、過去7ヶ月にわたり、シリカナノクープからナノポーラスカーボン材料の合成を行い、以下のような結果を得た。 材料の合成にあたっては、まず最初に、マイクロ波装置を用いたプロセスにより、メソポーラスシリカナノクープ材料を製造してきた。得られた材料は、大表面積でかつ細孔容積も大きく、よく配列したメソポーラス構造をもっていた。このとき、界面活性剤の性質を変更することによって、シリカナノクープの構造を容易にコントロールすることが可能であった。実際に使用した界面活性剤は、プルロニックP123およびF127(両者とも市販の界面活性剤)である。さらに、高温の熱水法によって大きい気孔径のメソポーラスシリカが得られた。プルロニックP123を界面活性剤として、また、n-ブタノールを共通溶媒として用い、反応温度を調節することで、容易にシリカの気孔径を調整できることが明らかとなった。 次に、上記の気孔径の異なるメソポーラスシリカ材料をテンプレートとして利用し、ショ糖を炭素源としてメソポーラスカーボンナノクープの製造にあたった。こうしてできた材料の構造およびテクスチャの特性について、様々な高性能な測定機器を用いて分析を行った。その結果、気孔体積が1gあたり2,9cm^3(3.9cm^3/g)という非常に大きい、配列の整った3次元ポーラス構造をもつ材料ができていることが示された。さらに、3次元構造をもつシリカテンプレートの気孔径を調節することで、材料の気孔径が容易に調整された。 本研究はまだ初期段階にあるため、研究内容を論文に投稿していない。次年度から論文発表等を行う。
|