2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ナノ繊維を用いた人工植物葉の開発と糖生産システムの構築
Project/Area Number |
22655074
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中根 幸治 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50292446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小形 信男 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70108249)
前田 桝夫 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (10020140)
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Keywords | エレクトロスピニング / 高分子ナノ繊維 / 植物細胞 / 固定化生体触媒 |
Research Abstract |
マメ科植物であるクズ(Pueraria lobata)のカルスを大量培養し,酵素溶液で単細胞化した(これをモデル植物細胞とした).サトウキビのカルス培養も検討した.葉緑素を有するサトウキビ細胞のカルス培養は可能であったが,平成22年度内に大量培養できる条件の確立には至らなかった. ポリビニルアルコール(PVA)水溶液,または,エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVOH)溶液(溶媒:イソプロパノール/蒸留水=70/30wt%)にそれぞれクズ細胞を分散させて,エレクトロスピニング(ES)の紡糸液を調製した.無菌状態でESを行うことにより,PVA, EVOH,いずれの材料でも,高分子ナノ繊維間に植物細胞が固定化された不織布を作製することができた. ナノ繊維に固定化されたクズ細胞の生体機能の有無を定性的に調べるために,エバンスブルーによる細胞の染色を行った.ナノ繊維に固定化された細胞はエバンスブルーに染色されないことを光学顕微鏡で確認した.これより,ES工程を経ても,植物細胞の生体機能は保持されたままナノ繊維に固定化できること.がわかった. PVAは水に膨潤し,ナノ繊維の形状を保持することが困難であるが,EVOHは親水性-疎水性のバランスを兼ね備えており,水中でのナノ繊維の形状安定性にも優れる.さらに,生体適合性に優れることから,EVOHのナノ繊維が人工植物葉の基材として有用であることが考えられた.
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