2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機導電性繊維によるテキスタイルデバイス創成に関する研究
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22655075
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木村 睦 信州大学, 繊維学部, 准教授 (60273075)
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Keywords | 導電性高分子 / 湿式紡糸 / 導電性繊維 / 複合紡糸 / 繊維強度 / 編織 / テキスタイルデバイス / 安全安心 |
Research Abstract |
本研究は、機能性繊維を部品として用い接触・感覚・温感等の五感をセンシングできるテキスタイルデバイスの創成を目的とし、導電性高分子の一種であるボリチオフェン誘導体の繊維化および得られた有機導電性繊維を用いたデバイス創製に関する研究を行った。これまでに問題となってきた導電性繊維の機械的強度を向上させるためのポリビニルアルコールとの複合紡糸を実施した。ポリビニルアルコールを混合したジメチルスルホキシド溶液を紡糸溶液として用いることにより、連続的かつ安定な紡糸が可能となった。さらに、得られる導電性繊維の機械的および導電性は、複合紡糸におけるポリビニルアルコールの分子量および混合比によって大きく具なることが明らかとなった。ポリビニルアルコールとの混合比の最適化を行ったことにより、導電性45S/cmおよび編織プロセスに展開できる有機導電性繊維を得ることができた。繊維の熱処理によって、湿度および温度に対する安定性が1大幅に向上し、実際のテキスタイルデバイスのデバイス再現性に目処をたてることができた。手織りでの導電性布帛の作製を行い、通電による加熱および感触センサとしての可能性を確認した。これらの成果をもとに、人体に対して違和感ない多機能ソフトデバイスについて次年度検討を進める。機能を持つ繊維・テキスタイル・制御の階層性が可能となれば、人体に最も近い部分で人体とコミュニケーションできるソフトインターフェースになり、QOL(Quality of Life)向上および身近な危険から守る安全・安心を得ることができるデバイスを創出することができる。
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Research Products
(2 results)