2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機導電性繊維によるテキスタイルデバイス創成に関する研究
Project/Area Number |
22655075
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木村 睦 信州大学, 繊維学部, 准教授 (60273075)
|
Keywords | 繊維 / 導電性高分子 / テキスタイル / センサ / 強度 / 導電性 / 編織 / 太陽電池 |
Research Abstract |
本研究は、機能性繊維を部品として用い接触・感覚・温感等の五感をセンシングできるテキスタイルデバイスの創成を目的とする。繊維は一次元状の構造体であり、柔らかい・編織により二次元および三次元形状化が可能・風合い・違和感がないなどの特徴をもつ。繊維-本が機能をもち、様々な機能を持つ繊維からテキスタイルを作ることができれば、人体に対して違和感ない多機能ソフトデバイスを創ることができる。 PEDOT/PSS溶液を用いた湿式紡糸において繊維特性を左右する紡糸原液の濃度(粘度)、凝固浴成分および温度について詳細に検討を行ったところ、これまでに市販のPEDOT/PSS水溶液から直径100マイクロメーター以上の繊維の紡糸に成功した。また、導電性も100S/cm程度であり、PEDOT/PSS本来の導電性を保ったまま繊維化することができた。繊維径の太い繊維を紡糸できたことから、手織りのテキスタイルを試作し二枚の布の接触による感触センサを試作した。このテキスタイルセンサは、接触による導通および加重変化による導電性の変化を示したことから感触センサとしての可能性を示すことができた。しかしながら、得られる繊維強度が低く機械による編織はできないため、繊維強度を高める紡糸プロセスが課題であったため、ポリビニルアルコールを混合した溶液を調製し湿式紡糸法によるPEDOT/PSSの繊維化を行った。導電性、繊維強度、繊維紡糸スピードの向上が得られ、様々プロセスに対応可能な有機導電性繊維を創出することができた。さらに導電性繊維の表面に有機半導体層をコーティングし、光電変換できる太陽電池繊維の試作も行った。
|
Research Products
(3 results)