2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール伝導用スピンプローブの開発とそれによる表面ラシュバ系のスピン流の研究
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22656011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平原 徹 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30451818)
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Keywords | 物性実験 / 表面・界面 / スピンエレクトロニクス |
Research Abstract |
本研究では微小領域測定用のスピン検出プローブを開発し、それを用いてラシュバ分裂した表面状態によるスピン流を生成・検出、そして制御することを目的にした。 本年度は通常のSTM探針であるタングステンにカーボンナノチューブを接合する方法を改良し、歩留まり良くカーボンナノチューブ探針を作成する方法を確立した。さらに昨年度より取り組んでいる、探針磁性体CoやCoFe被覆した探針の作成方法を最適化した。 このように作成した針を用いて室温四探針STM装置でシリコン表面上のビスマス超薄膜を対象に電流誘起スピン偏極の検出に取り組んだ。その結果プローブ間隔が1マイクロメートル以内の場合に非磁性体と磁性体探針を用いた場合で明確な違いが見られ、何らかのスピン依存伝導現象を測定できていることが明らかになった。ただデータ点が少なく、今後より多くのデータを取得する必要がある。 並行して新たな表面スピン依存伝導現象測定を行うための装置開発を行った。これは通常のSTM探針以外に二本の電流注入プローブを配置し、磁性探針を用いることでより微小領域でのスピン伝導が検出できる用になるはずである。本年度は装置の立ち上げと通常のSTM測定が問題なくできることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の計画通り、磁性探針の作成、そしてそれを用いたスピン伝導の測定の実施と計画通りに来ている。あとは確かな実験データが得られれば問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は開発中の新装置に磁性探針を組み込んで表面スピン伝導現象測定に取り組んでいく。
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Research Products
(13 results)