2010 Fiscal Year Annual Research Report
溶液中で単原子観察可能な高速原子間力顕微鏡法の開発
Project/Area Number |
22656014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅原 康弘 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40206404)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 単原子観察 / 固液界面 / 位相変調方式 / 光てこ / 高速スキャナー / カンチレバー / アクティブダンピング |
Research Abstract |
溶液中で反応・機能している最中の固体表面の結晶構造や物理化学的性質の変化を原子分解能でリアルタイムに観察することは、固体表面の反応や機能の解明にとって極めて重要である。本研究は、『溶液中において固体表面の個々の原子を観察でき、しかも、そのダイナミックな現象を映像として捉えることのできる、高い空間分解能と時間分解能を併せ持つ高速原子間力顕微鏡(AFM)を開発する』ことを目的とする。具体的研究課題は、以下の課題について検討した。 1)三軸アクティブダンピング法を用いた高性能・高速スキナーの実現 アクティブダンピング法を用いてピエゾ素子の共振を完全に打ち消し、位置決め精度が高く、高速に変位するスキャナー(共振周波数100Hz以上、Q値15以下)を実現した。 2)光てこ変位検出計の高感度化・高速化 半導体レーザに高周波変調を重畳することによりモードホップノイズを低減し、変位検出計の低ノイズ化を実現した。 3)高速振動振幅・位相検出回路の低ノズ化・高速化 振動振幅や位相測定に使用しているサンプル・ホールド回路の構成をシングルエンド型から差動変換型に変更することにより、サンプリング時の同相のスイッチングノイズをキャンセルし、カンチレバーの1周期ごとの振動振幅や位相を高感度・高速に測定できるようにした。 4)制御回路の低ノイズ化・高速化 カンチレバーの振動振幅を一定に保持するための制御回路と探針・試料間の距離を一定に保持するための制御回路の低ノイズ化・高速化を実現した。
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