2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656015
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10214305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 雅幸 埼玉工業大学, 先端科学研究所, 教授 (00242313)
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Keywords | ナノ材料 / 応用光学・量子光工学 / メタ分子 |
Research Abstract |
金表面上に固定化された金ナノ粒子における光整流効果の確認を行なった。試料の作成方法は以下の通りである。表面をアミノウンデカンチオールで被覆した金基板上に金ナノ粒子(直径15nm~100nm)を固定化した。金の膜厚は50nmである。微粒子のサイズや微粒子と金属表面との距離、金属の種類などを検討して、今回の目的には直径40nmの微粒子が最適であることを導いた。これは、微粒子による散乱効果が小さいことと得られる信号の強さの2点から最適値を導いたものである。基板表面からスペーサーを用いて10ミクロン程度のギャップをおいて上部電極を配置した。全反射減衰法を用いた表面プラズモン共鳴励起法により、微粒子中で起こる光整流効果の増強を行い、光整流の結果生じた静的な分極によって上部電極に誘起される電荷によるポテンシャルの検出を行った。その結果、40pm/Vの非線形感受率を持つことがわかった。同じ試料に対する電気光学効果による非線形感受率の測定では13pm/Vが見積もられている。同じ起源による効果の場合には、両者は同じ値をとることが理論的に予測されている。しかし、今回は3倍ほど異なる値が得られた。これらの違いを非線形光学効果の起源の違いとして考察し、静的な電場による金ナノ粒子の変位およびアミノウンデカンチオールの配向変化の2つの可能性があることがわかった。これらの結果から、メタ分子による光整流ダイオード実現の可能性を確かめることができた。
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