2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656015
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10214305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 雅幸 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00242313)
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Keywords | ナノ材料 / 応用光学・量子光工学 / メタ分子 |
Research Abstract |
メタ分子を用いた光整流ダイオードの試作を行った。ガラス基板上に幅60μm長さ2000μm、厚さ0.3μmの金薄膜を真空蒸着した。収束イオンビームを用いて幅20μmのギャップができるように金薄膜を切断して電極として用いることができるようにした。ここへ、アミノウンデカンチオール自己組織化単分子膜を堆積し、その後、直径100nmおよび250nmの金ナノ粒子を堆積した。電極全体に金ナノ粒子が堆積されるが、光整流ダイオードとして動作するのは、厚さ0.3μmの切断面(電極側面)に結合した粒子のみである。走査型電子顕微鏡像より250nmの場合には、幅20μm×高さ0,3μmの電極側面に約10個の金ナノ粒子が結合していることがわかった。波長1064nm、繰り返し周波数10HzのNd:YAGレーザー(スポットサイズ直径20μm、強度が0.1mW)を入射光として光整流効果の測定を行った。その結果、得られた信号はノイズレベル(0.1mV)より小さく、直径100nmおよび250nmのいずれの場合も光整流効果を観測することはできなかった。そこで、はじめの計算で求められた信号強度が得られない理由について検討をおこなった。はじめの計算では、電極間の静電容量の見積もりにおいて、電極面積を電極側面の面積を用いて計算を行っていた。しかしながら、有限サイズの電極では、側面以外の電極面の寄与も考慮しなければならないことがわかり、これを取り入れると、この実験で作製した電極では、発生する信号がノイズレベル以下になってしまうことがわかった。さらに、静電容量を小さくするために、その設計を行い、円筒状の金属ナノワイヤー電極を用いれば信号強度が飛躍的に改善されることがわかった。
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