2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラセオジム添加フッ化物ガラスを用いた全固体可視域モード同期ファイバレーザ
Project/Area Number |
22656020
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神成 文彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40204804)
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Keywords | 可視域レーザ / プラセオジムイオン / モード同期レーザ / 波長可変レーザ / ファイバーレーザ |
Research Abstract |
GaN青色半導体レーザで励起可能なPrイオンドープフッ化物レーザのモード同期発振を実現するために,以下の項目の実験研究を行った。 (1)フッ化物ファイバレーザの波長同調特性 機械的強度,湿度に対して脆弱なZBLANフッ化物ファイバレーザの構造について,メーカと共同でモジュール開発を行い,プリズムおよび複屈折フィルタを用いた波長同調動作実験を行い,赤色域から青色域までの波長可変性を得た。これにより,モード同期に必要な広帯域利得特性は確認できた。 (2)受動モード同期に必要な過飽和吸収材料の探査 波長720nmでは半導体過飽和吸収鏡が作製できることは既知であったが,波長630nm帯でも作製可能なことが調査により判明した。また,半導体微粒子ガラス,グラフェンもその可能性が判明した。モード同期には不向きであるが,Qスイッチ動作であれば,Cr:YAGが可視域もカバーできる可能性が判明した。また,カーレンズモード同期法として,高非線形性ガラスSF10を使う手法を考案した。さらに,2次非線形効果のカスケード利用による位相変調がモード同期に利用できるというアイデアも考案した。これらの可能性を実現するためのレーザ共振器設計を行い,2年目での実現を目指す段階に至った。 (3)励起用GaN半導体レーザの高出力化 出力1WのGaN半導体レーザの動作温度制御を行い,偏光結合により4台で励起できる励起光学系を構築した。 (4)Pr/Yb共ドープ アップコンバージョンレーザの調査 850nmレーザで励起可能であるためスケーリングが容易なアップコンバージョン方式の可能性を調査したが,フッ化物ファイバレーザの熱負荷特性に問題があり,敢えて高出力化に取り組むメリットがないことが判明した。
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