2011 Fiscal Year Annual Research Report
極浅接合形成のためのレーザープラズマ・ドーパントイオン注入法の開発
Project/Area Number |
22656023
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
関岡 嗣久 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40118013)
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Keywords | 高性能レーザー / 放射線,X線,粒子線 / 半導体物性 |
Research Abstract |
高度情報化社会の進展は目覚ましく、これは、半導体素子の微細化によるものである。素子の微細化にともなって不純物を高濃度にし、より浅いソース/ドレイン接合を形成することが必要とされている。 本研究の目的は、半導体素子にドーピング層が10nm以下の急峻な極浅領域を形成するため、不純物元素を含む固体ターゲットにレーザーを照射し、生成したプラズマから発生するイオンビームを、Si基板に低エネルギー注入する制御技術の開発である。 本研究計画では、ドーパント不純物元素を含んだ固体ターゲットにレーザー照射した際に生ずる、レーザープラズマからのイオンを、低エネルギードーパントイオン生成源として使用する。 平成23年度、兵庫県立大学高度産業科学技術研究所において、我々は固体B(ボロン)ターゲットを用いて、レーザー照射時に発生する、高速Bイオンのエネルギー分布と角度分布をレーザー強度を細かく変えて測定を行った。その結果、真空チェンバーのレーザー入射口直前のレンズ位置を調整し、レーザー強度を変えることにより、B^+イオンのエネルギーピークを200eVから500eV程度の範囲で調節できることがわかった。B^+イオンの強度はどのエネルギーでも、ほぼ2.2×10^<12>/(eV・Sr)でありこの強度は、エネルギー幅10%と考えると、1mAのイオンビームに匹敵することがわかった。新たにイオン選別のため電極を製作し、レーザープラズマからのイオンのエネルギーを選別し,また有害な中性粒子の除去を行い、Si基板注入を試みたが、予想外にイオンの電極透過率が悪く、注入を一旦断念した。原因は高濃度のイオンによる空間電荷効果のためと考えられ、現在、シミュレーションを用いて空間電荷効果を見積もりながら、電極の設計の見直しを行い、Si基板注入にむけて、ようやく見通しが立ってきたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初のイオン選別のための電極設計において、高濃度イオンの空間電荷効果の見積もりが甘かったため、イオンの電極間透過率が、Si基板注入のためには十分でなかった。現在、電極設計の見直しを行っているという状況のため。
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Strategy for Future Research Activity |
高濃度イオンの空間電荷効果を十分考慮して、工業利用のための電極設計を提案する。実験室レベルで、前述の設計による電極を用いて、イオンのエネルギー選別と中性デブリ除去を行い、Si基板注入の実証試験を行う。
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