2010 Fiscal Year Annual Research Report
目に見える階層的周期対称構造系の自発的破れ解析と折紙スキルの利用
Project/Area Number |
22656027
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
有尾 一郎 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (50249827)
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Keywords | 周期階層構造 / 高次対称性 / 分岐解析 / 超並列計算 / 構造不安定 / 有限要素法 / 折り / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究課題は、高次対称性を持つ構造(ナノ構造,分子・原子配列構造やハニカム・フォーム)の大規模周期セル微視構造・材料系において、多重特異点を有する,階層的で自己組織化する対称性の自発的破れ現象の群論的分岐解析である。その一方で、最近折り紙スキルを工学に利用し、工業製品に応用する流れがある。この「折り」技術と自発的破れを伴う座屈現象と共通する部分があり、この「折り」を収納・展開構造として利用する価値は要素技術において重要と考える。また、本課題は,ミクロ材料からマクロな自然現象までの臨界現象を「多様な折り構造を分岐点から説明するマルチフォールディング多重分岐理論」を通して、多様な周期対称性を有する構造系の非線形力学現象の解決法と高効率計算法の両立を提案するアイデアを具現化することを主目的としている。 本年度の研究実施では、対称変換の不変条件式の組立を構築するために、有限要素法を要素解析法の基礎として,周期階層分枝(セル,ユニット)構造系のいくつかの種類の分岐モデルに対する群論的手法(対称変換)の不変条件を考えてきた。この不変条件式は,特定の構造形態を持つ系および要素に対し,あらかじめ正規化した座標系を組み立てておき,ある周期構造の物理挙動を解析するときの局所対称条件に適応させるためのものであり、周期階層分枝モデルにおいて、分枝モデルに適した群元を用いると、高度で並列性の高い、固有直交空間に分解できることを理論的に確認した。かつ、分枝モデルにもよるが、その分解後の行列成分も同一種の細胞構造が横たわっており、現在、自由度がある分枝モデルの一般化表現とその分解後の成分と類似性について確認中である。今後は計算機環境を整えて、アルゴリズムとプログラムの並列化コーディングを行って、その解析検証を実施していきたいと考えている。
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