2010 Fiscal Year Annual Research Report
振幅変調波による閉口欠陥・微視損傷の非線形超音波スペクトロスコピー
Project/Area Number |
22656029
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
琵琶 志朗 京都大学, 工学研究科, 教授 (90273466)
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Keywords | 機械材料材料力学 / 超音波 / 振幅変調波 / 非線形特性 / 閉口欠陥 / 微視損傷 / 非線形界面モデル / 非破壊評価 |
Research Abstract |
振幅変調した超音波を入射した際に材料・構造物中の閉口欠陥や微視損傷において発生する非線形低周波スペクトル成分に着目する非破壊評価法を提案すること、その理論基盤として非線形界面や非線形媒質における振幅変調波の伝搬特性を明らかにすることが本研究の目標である。今年度は、閉口き裂面を模擬した実験的検討として、アルミニウム合金ブロック同士の接触面に振幅変調波を入射した際の透過波を計測し、そのスペクトルに含まれる非線形低周波成分の振幅依存性を調べた。入射波として、1MHzの搬送波を正弦波で振幅変調した縦波超音波を用いた。これは周波数の異なる二つの正弦波の和に相当する。また、低周波スペクトル発生特性を単一のアルミニウム合金ブロックに対する測定結果と比較することにより、接触界面の影響を調べた。その結果、接触界面を透過した波形では、搬送波周波数と変調周波数の差音に対応する低周波成分が相対的により顕著に含まれており、また、二次非線形性に相当する振幅依存性を示すことがわかった。つぎに、非線形界面モデルを用いて、このような振幅変調波の接触界面における縦波透過特性の解析を行い、入射周波数の和および差に相当する周波数成分が発生することを明らかにした。以上の結果から、振幅変調波入射に対する低周波成分の応答に着目することにより、閉口欠陥の検出が可能となり得ることがわかった。このようなアプローチは高周波数領域に顕著な減衰を示す材料に有効と考えられる。以上に加えて、微視損傷を有する材料として、一方向強化炭素/炭素複合材料における振幅変調波の透過波形についても、同様な実験の結果に基づいて、振幅包絡線関数の導関数に相当する低周波成分の発生特性を検討した。
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Research Products
(1 results)