2010 Fiscal Year Annual Research Report
材料変形のナノスケールスローダイナミックスモデリング
Project/Area Number |
22656030
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾方 成信 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20273584)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君塚 肇 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60467511)
|
Keywords | スローダイナミクス / 材料変形 / 時間スケール疎視化 / 分子動力学法 / マルチレプリカ法 / 自由エネルギー / 並列計算 |
Research Abstract |
平成22年度は以下の2点について研究を実施した。 1.時間拡張粒子モデリング理論の構築 原子モデリングを基本とし、原子位置と原子運動量もしくは原子位置で張られる相空間の並列サンプリングによって、系の持つ全自由度から、任意に選択された自由度に対する自由エネルギー曲面を高速に獲得するための理論構築を行った。これにより、変形に関与するまたは興味の対象となる任意自由度に関する自由エネルギー変化を獲得できるようになった。また、得られた自由エネルギー曲面とその外部応力・温度依存性から、変形を支配している素過程の発生頻度を評価し、材料変形の時間スケールを特定するための理論を統計力学に基づき構築した。 2.時間拡張粒子モデリング理論に基づく並列マルチレプリカMD計算機コードの開発 1.で構築した理論に基づき、並列計算機で効率よく計算が可能な並列マルチレプリカMDコードを開発した。なお、ここで開発したコードは、従来からある自由エネルギー曲面を獲得する法のほどんどを包含する汎用性を持っている。具体的には、反応経路探索法として知られるNudged Elastic Band法およびその派生手法、たんぱく質の自由エネルギー曲面探索に使われるReplica Exchange MD法およびその派生手法、複雑な系のすべての準安定状態をくまなく探索できるMulti Walker Metadynamics法、粒子の量子性を考慮しながら系の時間発展を獲得するPath Integral MD法等の方法は、プログラム構造を変更することなくパラメータ変更レベルで実施できる。
|
Research Products
(6 results)