2012 Fiscal Year Annual Research Report
材料変形のナノスケールスローダイナミックスモデリング
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22656030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾方 成信 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20273584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君塚 肇 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60467511)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スローダイナミクス / 時間スケール粗視化 / 分子動力学法 / 自由エネルギー / 炭素 / 鉄 / 拡散 |
Research Abstract |
昨年度開発に成功したAdaptive boost MD法は、独立したプログラムコードとして存在し、並列計算の観点からは十分に最適化されていなかったが、これを初年度開発した並列マルチレプリカMD計算機コードに組み込むことで、並列化効率を飛躍的に上昇させた。そして、このAdaptive boost MD法を用いて、合金材料の機械的特性を論じる上で不可欠な知見である、金属材料中の不純物と欠陥との相互作用およびそれらの運動の同時解析を行った。具体的には、鉄中の炭素が転位との相互作用下において、いかに拡散するかの解析を実施した。その結果、転位の性格に依らず、転位中での炭素の拡散方向は結晶方位によって唯一に決まる共役バーガースベクトル方向であることを発見した。そして、従来から言われてきた転位線に沿っての極めて高速な拡散現象は71度混合転位を除いて生じないことを予測した。これらを総合すると、71度転位以外の転位中の炭素拡散現象は、転位の運動と強い相関があることが示された。そしてこのように、炭素と転位の協調運動が発現する場合、その有効活性化エネルギーは温度によって変化し、同時に活性化エントロピーも温度によって変化することを示した。また、転位中の炭素原子の数密度が大きくなることによって、転位の動きは徐々に遅くなり、炭素が飽和すると転位の運動は強く拘束されることも明らかにした。これにより、侵入型溶質元素による転位運動の拘束のメカニズムを原子レベルから明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)