2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22656035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
割澤 伸一 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (20262321)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナノメカニクス / 量子的挙動 / 振動子 / グラフェン / 集束イオンビーム化学気相成長法 / 超伝導ナノデバイス |
Research Abstract |
ナノメカニカル振動子の材料としてグラフェンを検討するとともに,集束イオンビーム化学気相成長法で合成した新材料の超伝導特性の検討を実施した.単層グラフェンのナノメカニカル振動子については,室温下での高いQ値を達成したがその要因が支持部の固定方法であるのか,アニールの影響によるものなのか,引っ張りひずみによるものなのか,これらの寄与度が明確ではなく,この解明に注力した.グラフェンをSU-8上に架橋させたもの,さらに両端支持部をDLCで固定したもの,両者の振動特性評価を行った.また,アニールによる両端支持部の材料特性の変化,アニールによる引っ張りひずみ,の両者の比較を試みた.これらをできるだけ相互干渉のないように作製プロセスに工夫を加えた.その結果,DLCによる固定の有無はQ値向上には寄与していない可能性が高く,振動時のすべりは認められなかった. 量子的挙動を発現させる振動子となり得るもう一つのアプローチとして,その構成材料について検討した.具体的には,集束イオンビーム化学気相成長法を利用して,二種の生成ガス,W(CO)6とC14H10を混在させることによって,作製効率が良く超伝導特性を有する材料の作製に成功した.集束イオンビーム化学気相成長法は従来技術として金属材料の合成が可能である.そこで,超伝導特性を有する材料と金属材料との組み合わせを図ることによってSNSジョセフソンデバイスの作製を実施して,その特性を計測した結果,SNSジョセフション接合特有のフラウンホーファーパターンが観察された.集束イオンビーム化学気相成長法は,3次元ナノデバイス作製法として優れており,多様な構造のナノ振動子の作製が可能であり,超伝導特性を有する材料による振動子の作製の可能性を示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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