2011 Fiscal Year Annual Research Report
フリーカーボンを含有させた低摩擦コーティング膜の開発とその難削材加工への適用
Project/Area Number |
22656037
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
細川 晃 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40199493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 隆司 金沢大学, 機械工学系, 教授 (60115996)
田中 隆太郎 金沢大学, 機械工学系, 講師 (60361979)
古本 達明 金沢大学, 機械工学系, 講師 (60432134)
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Keywords | コーティング / PVD / UBMS法 / AIP法 / 切削工具 / フリーカーボン / 摩擦係数 / エンドミル |
Research Abstract |
本研究はアンバランスド・マグネトロン・スパッタ法(UnBalanced Magnetron Sputtering Method : UBMS法)によるコーティング技術を高度化し,Ti合金やNi基合金などの耐熱性難削材の高能率切削を可能にする新しいコーティング工具を開発することを目的としている.平成23年度は耐熱性を確保した上で潤滑性を有するフリーカーボンを含有させたコーティング膜の開発に成功し,以下の成果を得た. (1)UBMS法によるコーティング膜は表面の突起物やピンホールが極めて少なく,表面平滑性に優れる. (2)UBMS法によるTiCNは炭化物ではなくフリーカーボン(C-C結合)が多く生成されている. (3)一般的な切削速度v=50m/minだけでなく熱的負荷の大きい高切削速度v=220m/minにおいてもUBMS法によるTiCNを施したエンドミルは圧倒的に小さい逃げ面摩耗幅を示す. (4)被削材のむしれが発生しやすい高切削速度v=220m/minにおいても,UBMS-TiCN工具の場合は平滑な仕上げ面が得られ,工具逃げ面への被削材の凝着やすくい面への切りくずの堆積が抑制される. (5)UBMS法によるTiCNを施したエンドミルは,切削初期から著しく低い切削抵抗を示す. (6)フリーカーボン含有TiCNコーティング膜は加熱温度500℃以上で酸化が進行する.これは,AIP法によるTiCNコーティング膜と同等の耐熱性である. (7)フリーカーボン含有TiCNコーティング膜のTiCN層は,非常に微細(数十nm)なTiCN結晶粒が形成されている. (8)SUS304の高速乾式切削において,フリーカーボン含有TicNコーティングエンドミルは最も低い逃げ面温度を示す.AIP法によるTiAINコーティングエンドミルと比較すると100℃低い値である. (9)すくい面近傍においても,フリーカーボン含有TiCNコーティングエンドミルは切削熱の発生が抑制される.
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Research Products
(4 results)