2010 Fiscal Year Annual Research Report
光学素子表面に設けたナノ構造による生化学物質の高感度・選択検出
Project/Area Number |
22656039
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
諸貫 信行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (90166463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 新 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (30347273)
田中 靖紘 首都大学東京, システムデザイン研究科, 特任助教 (80568113)
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Keywords | タンパク質 / 物質検出 / 光学素子 / ナノ構造 / 微粒子 |
Research Abstract |
光学素子表面にナノ構造を設けることで蛍光処理タンパク質を高密度に固定し,抗原抗体反応を利用した高感度・選択的な物質検出システムの構築を最終目的とし,以下の研究を進めた まず光学素子上への自己整列技術の検討を行った.安定的な自己整列を行うためには溶媒のpHを調整することでゼータ電位を調整する必要があることを明らかにし,これを用いて材質が変わっても安定的に自己整列させるための指針が得られるようになった.そして,直径20mmのガラス製凸レンズ上に直径1ミクロンのシリカ微粒子を自己整列させ,これにたんぱく質修飾を行うことで物質検出のための基板を作製した.別途,シリコン基板にシリカ微粒子を整列させ,ドライエッチングを行うことでナノ構造を設けた基板も準備した その後,微粒子を蛍光処理したタンパク質で修飾し,抗原抗体反応を起こさせたときの蛍光を観察した.その結果,平面基板においてもナノ構造による表面積増加の影響により,最大2.5倍程度まで蛍光強度が強まることを確認した さらに,光学素子による集光特性を独自の装置で評価し,発した蛍光が凸レンズ透過後に収束する様子を確認した.ただし,微粒子から発する蛍光は散乱度が高く,光学系透過後にレンズ焦点に集光するのは必ずしも容易でないことが分かった.よって,透過光学系に加え,反射光学系による感度向上も検討する必要があることがわかった 次年度は微粒子直径をさらに小さくした場合の影響を明らかにし,次いで,スペクトル分解を用いた物質の識別に関する基礎的な検討を進める
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Research Products
(4 results)